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萩岩見空港へ出発|羽田の裏技と機内サービスの小話
朝5時に起床。6時台の電車で羽田空港へ向かった。前日までの雨が止み、空気が少し冷たく感じる曇り空。7時過ぎに羽田空港第2ターミナルに到着し、すぐに保安検査場へ。自分の旅の中で確立しているルーティンがあって、保安検査をスムーズに抜けるために、財布・スマホ・腕時計は事前にカバンにしまっておく。これだけでチェックのスピードが全然違う。
今日もバスゲート。どうやら地方路線はバスゲートが多いようだ。バスゲートの待合室で一つ気付きがあった。充電ポートにType-Cの差込口が追加されていた。以前はType-Aしかなかったので、空港も時代に合わせて改善しているんだなと感心。ただしまだ完全にType-Cだけに移行しているわけではないので、どちらのケーブルも持っていく必要がある“端境期”は不便でもある。
搭乗は定刻通りに開始。機内に入り、座席で一息。離陸後、すぐに機内サービスの時間。ホットコーヒーを頼んだが、この日はミルクと砂糖の提供がなかった。CAさんの配慮がなかったのか、忙しかったのかはわからないが、次回はジュースにしようと心に決めた。パイロットからのアナウンスでは現地の天候は小雨、気温は25度とのこと。関東は曇りだったのに、山陰地方は雨とは意外だった。
そして思わぬ展開。着陸態勢に入ったと思ったら突然エンジン音が上がり、再び上昇。アナウンスで、視界不良のため着陸を一時中止してリトライするとのこと。人生で初めてのゴーアラウンド(着陸やり直し)だった。少し緊張しながらも、最終的には10:30頃に無事萩・石見空港に到着。思っていたより小ぢんまりとした空港で、地方空港ならではの落ち着いた雰囲気だった。
まずは空港内のトイレで身支度を整え、予約していたレンタカーのカウンターへ。10分ほど並んだものの、事前予約済みだったため、名前の確認と免許証の提示だけで手続きは終了。非常にスムーズで、スタッフの対応も親切。都市部のレンタカーとは違い、慌ただしさがないのが好印象だった。
レンタカーで笠山へ|明神池と天然クーラー「風穴」に感動
レンタカーを借りて、最初の目的地「笠山」へ出発。ナビでは約1時間のドライブ。空港からは一本道が続く。信号も少なく、道幅もほどよく、走りやすい。地方の道というと狭くて運転しづらいイメージがあるが、ここのルートは快適だった。ただし、道中にコンビニも自販機も少なく、飲み物を買い損ねたのは失敗。空港でジュースを1本買っておけばよかったと後悔。
予定通り約1時間で笠山に到着。道を曲がってすぐのところに有料駐車場(1時間200円)があり、迷わずそこに停めた。周辺には無料の駐車場もあるらしいが、少し歩くことになるので今回は手軽さを選択。駐車場のすぐそばには古民家のような建物が立ち並んでおり、観光地らしさを感じる。
まずは「明神池」へ。名前の通り神聖な雰囲気の池で、海とつながっているらしく、池なのに海水魚が泳いでいる。特に驚いたのが、エイが泳いでいたこと。池でエイを見るのは人生初。水面を優雅に泳ぐその姿は神秘的だった。周囲にはベンチもあり、しばらく眺めているだけでも癒やされる。池の脇には「巌嶋大明神」が祀られていて、ここでも手を合わせた。
続いて「風穴」へ。少し坂を登って右手の看板に従って進むと、古い木造の建物があり、その横を通って奥へ。すると、突然空気がひんやりしてきた。岩肌から霧のような冷気が漂い、まるで天然のクーラー。しかもミスト付き。建物を超えたあたりから明らかに温度が違い、汗がスッと引いていく。気温は体感で5度以上違うように思えた。
冷気の中には小さな水たまりと湿った石の道があり、足元に注意しながら奥へ進む。自然の力ってすごいなと実感。短時間ではあったが、この旅で一番印象に残った場所かもしれない。暑さが一気に引いていく感じがとても心地よく、離れるのが惜しくなるような体験だった。
萩反射炉と道の駅「萩しーまーと」で地魚フライ定食ランチ
風穴で涼を得た後は、そろそろランチタイム。道の駅「萩しーまーと」へ向かう道中、ふと「萩反射炉」の案内板が目に入った。予定にはなかったが、興味がわいて寄り道。大きな無料駐車場があり、車を停めて徒歩で敷地内へ。見上げるような煉瓦造りの建造物がそびえ立ち、思わず「でかっ」と声が出た。
明治時代に建てられたという反射炉。ここで鉄を溶かし、大砲や武器を鋳造していたらしい。高台にあるので眺めもよく、静かな場所で歴史を感じながら散策できた。特に展示館のようなものはなかったが、周囲を軽く一周し、歴史の重みを感じながら次の目的地へ。
「萩しーまーと」は道の駅でありながら、魚市場に隣接しているというユニークな立地。到着すると、まず目に飛び込んでくるのが活魚の水槽。地元の鮮魚がずらりと並び、見ているだけで楽しい。魚売り場の周囲には定食屋が3軒ほど並んでいて、観光客と地元民でにぎわっていた。
店頭の看板に「アジフライ定食」の文字。写真を見ただけで美味しそうだったが、残念ながらその店は売り切れ。他の店で「ミックスフライ定食(エビ・フグ・ハモ)」があったので、そちらに入店。たまたま空席があり、すぐに着席できたのはラッキーだった。
しばらくして配膳された定食は、見た目からして美味そう。メインのフライ3種に、味噌汁、昆布の佃煮、牛肉のしぐれ煮、そしてお漬物がセット。まずはフグ。ふわふわで上品な味。エビはプリっとしていてジューシー。ハモは骨切りされており、全く気にならずに食べられる。はもって京都の湯引きのイメージが強いけど、フライもかなりいける。これで1,400円は破格だと思った。
食後に自販機で水を買い、次なる目的地「萩明倫館」へ向けて出発。午前中の観光とランチだけで、すでに充実感はかなりのものだった。
萩明倫館と城下町めぐり|夏の暑さと歴史探訪
「萩しーまーと」でお腹を満たした後は、再び車に乗り込み、萩の市街地に向かった。次の目的地は「萩明倫館」。駐車場は広々としており、料金は310円とお手頃。観光客もそれなりにいたが、混雑というほどではなく、のんびりとした雰囲気だった。
明倫館には1号館から4号館まであるが、今回は展示がメインの1号館を見学。中は涼しく、エアコンがしっかり効いている。古い木造建築の中に、歴史資料や地元の文化を紹介するパネルが多数設置されており、展示の質もなかなか高い。ここで初めて知ったのが、午前中に行った笠山が“活火山”であるということ。あの穏やかな風景からは想像もつかなかったが、地熱による風穴の冷気も納得できた。
館内には萩藩校の歴史や、吉田松陰をはじめとする地元の偉人たちの紹介があり、意外にも見ごたえがあった。個人的には、机と畳の教室がそのまま再現されていたのが印象的で、まるで幕末にタイムスリップしたような感覚だった。
その後、徒歩で萩城下町跡を散策。通りは碁盤の目のように整理されていて、京都のような町割り。通り沿いには白壁の土塀、なまこ壁の古い建物が続く。歴史ある家々には木札が掲げられており、有名人の旧宅や資料館として公開されているところも多かった。
ただ、この日はとにかく暑かった。アスファルトの照り返しもあり、歩くたびに汗が噴き出す。水分をこまめに取りながら、軽めに一周することに。もっと涼しい時期なら、じっくり見て回りたい場所だった。
海沿いの絶景ドライブと道の駅たまがわ
萩市内の観光を終え、車に戻って再びエアコンでクールダウン。次は海沿いの絶景を楽しみながら「道の駅ゆとりパークたまがわ」へ向かう。来る途中に海に面した展望駐車場があったことを思い出し、途中で立ち寄ることに。
ナビで案内されるルートを走っていると、海沿いに「P」の標識。数台の車がすでに停まっていて、みな車から降りて海を眺めている。自分も車を停め、ドアを開けると潮の香りと心地よい風が頬をなでる。目の前には、切り立った岩肌と日本海の荒波。青と緑と白と茶色が混じり合うコントラストが、まさに自然のアートだった。
海の音をBGMにしばらくボーッと過ごす。こういう“何もしない時間”が旅には大事だと思う。ほんの10分程度だったが、心が洗われたような気持ちになった。
そこから30分ほど走って「道の駅たまがわ」に到着。駐車場は広く、施設は比較的新しくて清潔感がある。トイレ休憩を済ませ、お土産売り場へ。地元産の野菜や加工品が並ぶ中、目に留まったのが“みかんあん”を使った焼き菓子。柑橘の爽やかさと、あんこの甘みが意外に合うという説明に惹かれて購入。家族への贈り物にも良さそうだった。
恵美須神社の奇跡の道|満潮と引き潮の狭間を渡る
次の目的地は「恵美須神社」。事前に調べて気になっていたスポットで、満潮時には参道が海に沈んで渡れなくなるというユニークな場所。干潮時間に合わせて向かったが、実際に渡れるかは現地に行ってみないとわからない。
ナビの案内でたどり着いたのは、少し大きな道路から逸れた細道。案内板も少なく、やや不安だったが、途中に駐車スペースを発見。そこから徒歩で移動開始。案内には30メートルと書かれていたが、体感ではもう少しかかった。海岸が見えてくると、岩の上に神社の社殿が建っているのが見える。
肝心の参道だが、運良く潮が引き始めており、足元の石畳が見え始めていた。波が残した砂利や小枝を避けながら慎重に進む。湿って滑りやすい箇所もあるが、注意すれば問題ない。途中、すれ違った地元の人らしき方に「今が一番いい時間帯」と言われ、少し得した気分。
神社の境内に到着すると、眼下には海が広がり、遥か向こうには水平線。高さもあり、風が気持ちいい。波の音が響き渡り、まるで海と一体になったような錯覚に包まれた。都会の喧騒とはまるで別世界。ここは本当に来てよかったと思える場所だった。
レンタカー返却から帰路へ|空港施設とANAの快適対応
これで今回の旅の予定はすべて終了。空港へ向けて車を走らせる。空港の手前にガソリンスタンドがあるとの紙に書いてあったのを思い出し、そこで給油。給油量は約7リットルで、走行距離は123km。計算するとリッター17.5km程度。道が空いていたので、思ったより燃費が良かった。
給油レシートを持って空港のレンタカー返却カウンターへ。係員に書類を渡し、給油証明を提示。車体のチェックもすぐ終わり、手続き完了まで5分とかからなかった。最後までストレスのない対応だった。
あとは帰りの飛行機を待つだけ。保安検査を早めに通過し、搭乗ロビーへ。小規模な地方空港だと充電用のコンセントがないこともあるが、ここには7口のテーブルタップが設置されていた。ありがたくiPhoneを充電。待ち時間を有意義に使えた。
搭乗は定刻通り。機内では再びホットコーヒーを注文。行きではなかったミルクと砂糖を今回は「お付けしますか?」と丁寧に聞かれ、きちんとセットで提供された。たまたまなのか、それとも行きの対応がイレギュラーだったのか。些細なことだが、満足感は高い。
羽田には予定より少し早く到着したかと思いきや、東京湾上空で旋回。結局は定刻通りの着陸。最後まで旅にハプニングがつきまとったが、それも含めて良い思い出。今回の旅の費用は、得旅マイルで航空券が往復で11,000マイル、レンタカーが6,600円+免責補償1,500円、ガソリン代が約1,400円。総額で1万円台に収まるリーズナブルな旅だった。
また次の旅も、このくらいの気軽さで出かけられたらいいなと思う。ありがとう、ANA。そして山陰の自然と歴史にも感謝。

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